家庭訪問は恋の始まり

「じゃあ、ご褒美、出そうかな。」

そう言って、瀬崎さんが立ち上がる。

「ご褒美?」

何の?

「昨日、言ったでしょ?
頑張ったご褒美を持ってくって。」

「ああ! あれ、本気だったの?」

お昼ご飯だけでも、十分、ご褒美なのに。

「あれ?
信じてなかったの?
心外だなぁ。」

そう言って、瀬崎さんは持ってきた紙袋から箱を取り出す。

ん? ケーキ?

「多分、ちょうど食べ頃だと思うんだよね。」

ん? プリン?

箱から出てきたのは、白くてかわいいココット。

「うちのデザート。
お取り寄せできるようになったから、
試食がてら、持ってきた。」

プリンかと思ったそれは、表面がこんがりとキャラメリゼされている。

「これ、もしかして、クレームブリュレ?」

私が聞くと、

「そう。
食べてみて。」

と一緒に添えられたスプーンを渡してくれる。