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翌日 17時

嘉人くん家は、話が長引く事を想定して、その日の1番最後に設定した。

玄関でインターホンを押す。

『はーい。』

お母さんらしき声が応対してくれて、すぐにドアが開いた。

若い!
私より若いかも。

私はお母さんを見た瞬間にそう思ったが、表情には出さず、落ち着いて挨拶をする。

「こんにちは。
嘉人さんの担任の神山(こうやま)です。
本日はお忙しい中、お時間を取っていただき、
ありがとうございます。」

「いいえ、どうぞ。」

お母さんは上がるよう勧めてくださるが、正直、靴を脱ぎたくない。

「いえ、ここで結構です。」

私はやんわりとお断りをして、玄関先に腰を下ろす。

「嘉人さんは、学校では、毎日、とても元気
ですが、お家ではいかがですか?」