一人控え室を出てチャペルの扉の前に行くと
お父さんが待っていた。



「玲奈…すごく綺麗だな。」



「お父さん……」



「お母さんを思いだすよ」



「お父さん。いままでありがとう。」



「あぁ。こちらこそ
色々迷惑かけてごめんな」



「…もうっ今言わないでよっ…」


私は涙が出そうになる目を上に向けた


「俺、今日までずっと、
いや今の今まで俺がこのバージンロードを歩いていいのかずっと疑問に思ってた。」



「なにいって、
「俺のせいでたくさん迷惑かけて
たくさん傷つけた。
だから俺にはここを歩く資格はないって」



「確かにお父さんにたくさん傷つけられた。
でも、それがなかったら颯と出会えてない。

もちろん全部許したわけじゃないけど
私にとってはたった一人の家族だから」




「玲奈…ありがとう。
絶対幸せになれ」




あぁ。もうだめだよ。

お父さん…シクっ……ヒック…



お父さんが持っていたハンカチをもらい


ゆっくりと開いた扉に向かって歩いた。



大好きな旦那さん。颯の待つ方へ