カラスノウタ

さっきの冷たい女子生徒が手を差し出してきた。

「私は三年の湯川七海(ユカワナナミ)。去年は部長やってた、よろしく」

「よ、よろしくお願いします」

私は、その手を受け取って湯川先輩と握手をした。

先輩は態度だけじゃなくて、手もかなり冷たかった。

残りの部員達から自己紹介をしてもらったが、人の名前を覚えるのはあまり得意ではないので、これから交流を深めつつ覚えていこうと思った。

こうして、私は合唱部に入部することになった。

…これから、合唱部に何が起こるのかも知らないまま。