カラスノウタ

「小山さんにはさっきも言ったと思うけど、合唱部に入ってほしいの!」

遠藤さんが言う。

確かにそれは聞いたけれど…。

「でも、どうして私なの?」

「…和奏の遺書に書かれていたんだよ」

私の質問に、遠藤さんではなくさっきの冷たい女子生徒が答えた。

「自分がいなくなるから、同じクラスの友達の小山美鳥に自分の代わりをやらせろって」

和奏ちゃんの遺書に……?

「そうなんだ…」

この人達が私を勧誘してきた理由はわかった。

でも、どうして和奏ちゃんは私なんかを推薦したのだろう。

その疑問が残る。

だけど、これは大好きな和奏ちゃんの最後の頼みなんだ。

「わかりました。私、合唱部に入ります!」

「ありがとう!そう言ってくれると思った♪」

遠藤さんが抱きついてくる。

「わわっ、遠藤さん!?」

「これからは合唱部の仲間なんだから、下の名前で風香(フウカ)って呼んでいいよ!」

「えっと……うん、風香ちゃん」

なんだか、照れくさい。