カラスノウタ

和奏ちゃんはみんなと仲が良くて、部活でも活躍していた。

和奏ちゃんに何か悩み事があったとか、誰かに嫌がらせを受けていたなんて心当たりは全くないのである。

しばらく、私達のクラスは重くて暗い空気が漂っていた。

みんなに好かれていた和奏ちゃん。

特にクラスの中心という存在ではなかったけれど、いつも笑顔でみんなに優しくしてくれた。

そんな彼女が突然自殺したのは、かなりショックだった。

数日後のこと。

隣のクラスの遠藤(エンドウ)さんが、私のクラスに訪れた。

一度も話したことはないけれど、和奏ちゃんと同じ合唱部なので、和奏ちゃんの話に何度か出てきたことがある。

「えっと…あなたが小山さん?で合ってる……?よね?」

突然、彼女に話しかけられた。

「……え?わ、私?うん、私が小山だけど…」

私は、少し反応が遅れてしまった。

一度も話したことないのに…なぜ私?

「実は、あなたに合唱部に入ってほしいの」

遠藤さんはそう言った。