「よかった」

和奏ちゃんが笑った。

彼女の烏の濡れ羽色の髪が、揺れる。

綺麗だなあ……。

私は、和奏ちゃんのその髪に目を奪われる。

「ん?どうかした?」

「あっ、ううん!なんでもないの」

「そう?あ、じゃあ班の役割分担決めるから、こっち来てくれる?」

「うん!」

それから、私達はよく喋るようになった。

和奏ちゃんは可愛くて頭もよくて歌もうまくて、クラスでもみんなから好かれていた。

そんな和奏ちゃんと友達になったお陰か、私は徐々に他のクラスメイトに話しかけられるようになったのだ。