「亡くなった黒木(クロキ)さんに黙祷を捧げましょう」

体育館にいる全員が目を閉じる。

どうして、和奏(ワカナ)ちゃん…。

どうして、自殺なんて……。

目を閉じながら、私は亡くなった黒木和奏ちゃんのことを考えていた。

和奏ちゃんは、私のクラスメイトだった。

和奏ちゃんと初めて喋ったのは、遠足の班決めのときだった。

人見知りの私は、高校に入学して一ヶ月経っても、なかなか友人ができなかった。

周りの人達が次々と班のメンバーを決めていく中、私は一人だけ余りそうになってしまった。

そんなとき、和奏ちゃんが話しかけてくれたのだ。

「ねぇ、一緒の班にならない?」

春の小鳥のさえずりのように可愛くて綺麗な声で、和奏ちゃんは言った。

「い、いいの?」

「うん。私、ずっと小山(コヤマ)さんと話してみたかったの。あ、もしかしてもう別の子
と班つくってたり…?」

「う、ううん!まだ決まってない」