「し、翔太郎ーえぇーじゃあさ、翔太郎は、私のどこが良かったの?」
ちょっと顔を赤らめて、真剣に聞いてみた。

「だから、クルミに似てたから」
高らかに笑いながら言う翔太郎。

「ちょっと、もう!」

「あはは、美園の愛らしい笑顔と、色白で、女の子らしいとこ。あと、サラサラの艶やかなロングヘアーと小さな唇かな」

嬉しそうな満足気の翔太郎。初めて会った懐かしい光景を思い出しながら、答えたようだ。


「でも、俺、ちょっと黒髪の美園も見てみたいんだよね。きっと女子力上がるよ」


「黒髪かぁー長さは?」
私は少しワクワクしながら、聞いてみた。


「長さかー肩ぐらいのミディアムとかも似合いそう」
翔太郎は、頭の中で想像しながら、私の顔を鏡で映し出すかのように凝視した。


「そっかー気分転換に美容院行ってこうかな。仕事も外回りになるし」


「そうだな、行ってこい。俺はそろそろ出かけるよ」


「うん、気をつけてね。ちゃんと連絡してね」
私は、ようやく暗黒の不安と孤独から抜け出せた気がした。


「よし、私は美容院予約しよ」