「あ、ありがとうございました」
私はそう言って、半分くらい残されたカフェラテのグラスを片付けてテーブルを綺麗に拭いた。


なんだろう?今どき、こんなナンパあり?いやいや、それよりクルミって誰?
来て、とか何?約束って?
そんなことを考えながら、私は厨房へ戻った。


そして、ポケットの中に手を入れた。四角に折られたメモを私は誰にも気づかれないようにそっと取り出した。



『19時までにここに来い。必ず!』

メモには走り書きでこう書かれていた。
なんだろう?帰り道だから、寄るのは出来なくはない。まぁ、悪い人ではなさそうだけど…

背が高くて、筋肉質、色黒、顔は多分普通、イケメンとは決して言えないが、ただ、私の好きな顔ではある。どちらかと言うとあっさり系の顔。
とは言いつつも、一番のインパクトは、やはり、クルミに似てる…と言われたこと。


ちょっと気になる……


私は少し妄想をかき立てながら、メモをポケットに大切にしまった。