外に出ると、太陽の強い光でアスファルトが熱を発してるかのように、道路に重厚感を与えている。
そして、歩道に沿って立ち並ぶ木々たちは、鮮やかな春色を醸し出し、冬の終わりを告げている。

ストールいらないな、気持ちいい。

あ、あ、こんな日に翔太郎と出かけれたら最高だったのにな。

それでも、私は行くとこは決めたから足取りは軽い。

20分ほど歩いて、私は周りをキョロキョロしだした。

えーっと…確か、この辺なはず。
あ、あった!


私は壁にたくさんの動物が描いてある可愛いペットショップへ、胸を躍らせながら入っていった。


「いらっしゃいませ、おはようございます。
若いちょっと童顔な男性店員がそう声をかけた。

「おはようございます。あの、ハムスターいますか?ジャンガリアンハムスターがいいです。」


「たくさんいますよ、こちらへどうぞ」

私は案内されるまま店員さんについて行った。
なんだか色んな臭いがするなぁ……


「ここです」


「わぁー可愛い!めちゃめちゃたくさんいる。」
私のテンションは高揚中。
そしてマックスに達したその時、

「触ってみますか?どの子がよいですか?」
優しい声でゆっくりと話しかけてくれる店員さん。

「オスがいいんですが、オスはどの子ですか?」

「ちょっと確認します。えーこの子と、この子とー」
店員さんは、ハムスターを一匹ずつ触り、お腹とお尻を向けて性別を確認していた。


「あ、この子抱きたいです」
真っ白な毛に少しだけ、背中に小さな黒い毛が見える。

「その子はちょっとやんちゃですけど、無邪気で、直ぐになつくし、飼いやすいですよ。目が他の子よりパッチリしてますしー」

やんちゃ…無邪気…なつく…翔太郎みたい。


私はそれを聞き、目からお尻まで全身確認をした。お尻はプリプリしていて触り心地がある。ふわりふわりの感触はとても心地よかった。

かわいーいー!

「この子にします。」
私は胸がときめいた。

「ありがとうございます」
嬉しそうな店員さん。

「あと、ケージも良いですか?」

「あ、これ、このブルーがいいです。」
私はクルミと色違いのケージを見つけた。


「はい、わかりました。あ、ケージに入れて、持ち帰りますか?」

「いいんですか?助かります」


私は子どものようなワクワクした喜びと高鳴る鼓動を抑えることが出来なかった。


「気をつけてお持ち下さい。ありがとうございました。」
店員さんは、とてもあどけない可愛い笑顔で私を送り出してくれた。


私は満面の笑みを浮かべ、右手にケージを持ち、頭を下げて店を出た。


よし、第一段階終了。