私達は2人同時に目を開いた。

私は目の前のオムライスの赤い文字にびっくりし、胸がキュンキュンした。

私は翔太郎を愛おしく見つめる。

翔太郎も私と同じようにびっくりした表情をしている。
翔太郎は、クルミに癒されてる時の瞳で私を深々と見つめる。

私達は、目が合うと、お互いに笑いだした。

「すごいな、俺たち」
翔太郎は、俺たちはひとつなんだ、って言ってるかのように私の顔、全身をじっくりと見つめる。


オムライスにはこう書かれていた。

私のオムライスには
[プリンス]

私が書いた翔太郎のオムライスには
[プリンセス]


「ね、プリンスって?」
私はちょっと照れながら翔太郎に甘えた声で聞く。

「ん?世界一のプリンセスには、世界一のプリンスが必要だろ、つまり、俺」

かっこいい!なんだか可愛い!

「クルミは?なんで?俺に……」

「私ね、世界一のプリンセスになるって、初めてなんだ、誰かに話したの……だから、新たな決意を書いたんだ、翔太郎に誓おうって思って…」
私はなんだかワクワク、胸を躍らせ、最高の笑顔で答えた。


「そうなんだ、でも、これからはずっと一緒だ。一緒に頑張ろうな」
翔太郎も満面の笑みで答える。

嬉しい。切ない。愛おしい。胸がキュンキュンする。

私がこんな感情、今までに抱いたことがあっただろうか?
ない、全くないない……



「もったいないけど、食べようか?」


「うん、いただきます」