私達は、久しぶりに2人で、ゆっくりとカフェラテを味わっていた。


すると、翔太郎は寝室のクローゼットから、大きな封筒を持って来た。


「はい、美園。あとは、お前だけだ」


不思議そうに私は翔太郎を見つめた。

そして、ゆっくりと封筒を開けた。



「こ、婚姻届……用意してあったの？」
私は、胸の鼓動が高まっていく。



「ああ、保証人は、穂乃香と立石に頼んだ。ちゃんとサインしてあるだろ？」
どうだという満足気の翔太郎。


「…うん、私が書くだけだ……」
私は、ボールペンを取り出した。



ゆっくりゆっくり噛み締めながら丁寧に書く。緊張する。


じっと私を見つめてくる翔太郎の姿が、何だかとても嬉しい。



「書けた。書けたよ、翔太郎」


翔太郎は、大きく頷いた。


「さあ、行くぞ。市役所に」


「はぁーぃ」

私は、まるでダンスをしているかのように軽やかなステップを踏んでいた。