翔太郎のいるドバイへ行くことを決意した8月末の夜、翔太郎から、電話が入った。


「美園、こちらは、もう俺がいなくても何とかなる。明日、日本へ帰国する」


「え?本当に?本当に?」


「ああ、みんな頑張ってくれた。ひとまず安心だ。美園、早く会いたい」
翔太郎の颯爽とした渋くて低い声。


「私も、私も、翔太郎に会いたい。会いたいよ」
胸がキュンキュンして、苦しい。今までの切ない想いと激しく喧嘩する。



「31日の昼、成田に13時50分着だ」


「わかった。迎えに行く。必ず…」