私と翔太郎は、ゆっくりと手を繋いで、歩き出した。
「美園、お前は本当にすごいな」
ものすごく愛しそうに私を見つめる翔太郎。
「え?何が?」
「お前が穂乃香の心を開いたんだ」
柔らかに落ち着きながら、話す翔太郎。
「穂乃香は俺のパートナーじゃない。でも、あいつは、きっと自分があの手紙を開けたかったんだ」
「翔太郎………穂乃香さんの気持ち知ってたのね」
「ああ、まぁ、流石に直球で来られた時は困ったけどな。ただ、俺は、両親の死の真実がわかった時に、美園にプロポーズするつもりでいたんだ。穂乃香は意を決して、美園に雪の中、手紙を届けてくれたんだ…」
翔太郎の熱い思いをこれ以上受け取れないほど、私は舞い上がっていた。
翔太郎の言葉一つ一つが全て、胸に深く刻み込まれ、キャパを超えている。
「穂乃香は、美園を認めてくれたんだ。俺の妻として」
翔太郎は、力強く私の手を握り、自分のポケットにそのまま入れた。
翔太郎、大好きだよ。
翔太郎、幸せになろうね。
連れて来てくれて、ありがとう。



