「翔太郎?」


「美園……出かけよう」
翔太郎は、躊躇いもなく私に言った。


「……無理だよ。雪すごいもん。」


翔太郎は、私を通り抜けて、窓に駆け寄り、窓を開けて、雪を確認した。


「大丈夫、タクシー頼もう」


翔太郎どうしたの?
どこへ行くの?


翔太郎は、お母さんからの手紙をグッと握りしめていた。

そして、寝室へ行き、クローゼットのダンボール箱から、例の手紙を取り出した。

2つの手紙を丁寧に、鞄に入れた。

「行くぞ……美園」