私は1階へ降りて、素早く暖房を入れた。

めちゃめちゃ寒い。
どうしてこんな日にわざわざ来るんだろう?
怪我でもされたら、大変なんだけどなー


うーん
断るべきだったかな?


私は、両手をこすりながら、足元用の電気ストーブもつけた。


待ってる間に、いろいろ雑念が入ってくる。


よし、クリスマスツリー片付けていくかな…

私は少しづつ、なまった身体を動かし始めた。

みんなで、飾ったクリスマスツリーは大活躍してくれた。
しまうのは勿体ないくらいだけど、あと1週間で、新年だからね。


トントン


トントン


ん?
穂乃香さんだ。

予想以上に、早かった。


私は、入り口を素早く開けた。

「わぁー大丈夫でした?早く中へ」
真っ白になった穂乃香さんは、冷え切った顔で私に、笑顔を作って見せた。


「ストーブ当たって下さい。タオルどうぞ」

予め用意して置いたタオルが、役に立った。

穂乃香さんの全身から、雪の結晶が、みるみるうちに溶けて消えて行った。
スラリとした背中が、なんだか小さな子供のようにさえ、見えた。

「はい、コーヒー。自販機あったから」

そう言って、穂乃香さんは、私に缶コーヒーを優しく渡してくれた。


ストーブの前で、丸まる穂乃香さんの隣に私も座り込んだ。