しかし、翔太郎は、ソファーに横になりながら、そのまままた眠ってしまった。

私は翔太郎を毛布で包み込むようにした。


たまにはゆっくり休んでね。



ブルブル

あ、翔太郎起きちゃう!

私は翔太郎が、手に持ったまま寝ているスマホ画面を見た。

【穂乃香】
と画面には、でている。


どうしよう?
冬期講習のこと?


ブルブル

ブルブル

翔太郎は、起きない。



やがて、電話は、切れた。



あー良かった。
昨日、本当は、やはり何かあったのかな?



私は、手を止めて少し考え込んだ。


すると、今度は、私のスマホが鳴り出した。

【穂乃香さん】

え?
私?

私は恐る恐るスマホを手に取った。


「もしもし」

「もしもし、美園ちゃん、翔ちゃんいる?」
やや、険しい口調だ。

「今は、まだ寝てます」
だんだん不安になる私。

「冬期講習の件は、連絡ありましたよね?」
あくまで業務的内容に話をすり替える。


「美園ちゃん、今日会えるかしら?」

「えぇー今日?雪すごいですよ」
私は、この人は頭が壊れ出したのかとびっくりした。

「私が行くから。話あるの。翔ちゃんは寝かせといて」
真剣に詰め寄る穂乃香さん。

「わかりました。本当に気をつけて下さいよ」
大丈夫か?と思いながらも、しぶしぶ了解した。