甘く抱いて、そしてキスして…【完】

「た、ただいま」
フラフラな私。まともに歩けない。

誰かー
誰か助けて。


「大丈夫ですか?どうしたんですか?」
真田先生が、びっくりして、駆け寄ってきた。


「大丈夫、ごめんね。すぐ仕事戻るから」


私は、2階へゆっくりはって行く。


階段の途中で、力尽きた。

過呼吸になりそう。

やばい。

動けない。




私は、何とか鞄から、スマホを取り出した。


ん?
翔太郎から、LINEが来てる。


『美園、なんであんな所で立石と一緒にいるんだ!
ちゃんと説明しろ。
あと、今日は、遅くなるから、ご飯はいらない!』




ひ、ひどい。
翔太郎、誤解だよ。
翔太郎、今日は、クリスマスイブなんだよ。
なんで、私じゃなくて穂乃香さん?



私の呼吸はさらに荒くなり、全身痺れ出した。

誰かー

誰かー



ブルブルブル


助けてー


ブルブルブル


「もしもし、美園先生。もう買い物すみましたか?」


「た、立石先生、助けてー」
激しい呼吸と痺れが止まらない。


「どうしたんですか?」
私の異変に慌てふためく立石先生。



「塾来て…」
涙すら、もう出ない。


「わかりました。すぐ行きます」