「ん?」私はカーテンの隙間からの太陽の光で目を覚ました。

「ん?」私は目を何度も擦って、自分の今居る場所を確認した。

あ、私寝ちゃったんだ。しまった…


目の前にはソファーで幸せそうに寝てる人がいる。

私は、彼がおそらく私にかけてくれた毛布を、樋口翔太郎という昨日会ったばかりの男にそっとかけてあげた。


私は慌ててスマホを取り出し、時間を確認した。画面には、【7時18分】と出ている。
「やば、とりあえず、家に帰ろう」


すると、突然、
「ス、スマホ……」
半分寝かけた声で彼が私を呼び止めた。



「え?」



「貸して、スマホ…」



「なんで?」



「いいから、早く」

私はしぶしぶ彼の元へ近づいた。彼は私のスマホを取り上げて、自分の電話番号とLINEのIDをさっさと入れた。


「必要な荷物持って来いよ」


「ち、ちょっと、冗談でしょ?」
私は、彼を必死で起き上げようとして、身体を揺らしたが、また夢の中へと入っていってしまった……


あーなんなの?
とにかく帰んなきゃ。


私はスマホを握りしめ、さっさと部屋を出て行った。