「よし、朝のうちに買い物すませなきゃ」

私は、うきうきしながら、身支度する。

翔太郎、今日がクリスマスイブってわかってんのかな?
多分、気づいてないなー
昨年も仕事で、それどころじゃなかったし。


今年は私からのサプライズにしよ。


「クルミ、翔太、仲良くね。行ってくるね」

私は、1階へゆっくり降りて行った。




トントン

トントン




ん?
誰だ?


私は走って、入り口まで行き、扉を開けた。



「あーおはよう、立石先生。早いね。どうしたの?」
私は少し息を切らす。


「すみません、資料忘れちゃって」
吐く息は白い。
外の寒さを実感する。


「あーそうなの、どうぞ」


「美園先生、お出かけでしたか?」


「うん、朝のうちに買い物をね。ほら、今日クリスマスイブじゃない?」
私は無邪気に笑って見せた。


「あ、じゃあ、送りましょうか?寒いですし」

「え、本当に?助かる。ラッキーよろしく!」
私は思わず笑みがこぼれる。

「いえ、たまにはね、それくらいしますよ。どうぞ」
立石先生は、いつものあどけないキュートな表情を見せた。


私は、鍵を閉めて、立石先生の車にそっと乗り込んだ。