ぐっすりと眠れたメアリは、寝台の上で思い切り伸びをする。

窓から射し込む眩しい朝日は、清々しい気持ちをメアリの胸に呼び込んだ。

昨夜はユリウスと話している途中で眠ってしまったメアリだが、正直寝る前の記憶は曖昧だ。

戻ろうとしていたユリウスに声をかけたのは覚えているが、その後どんな会話をしていたのか。

ただ、穏やかな気分で素直に思ったことを口にしていた気はする。

おかしなことを言って困らせたりはしていなかっただろうかと気にかけて着替えを終わらせたところでロッテがやってきた。


「おはようございます、メアリ様! 昨夜はよく眠れましたか?」


髪を整える手伝いの為に、メアリを鏡台の前に座らせたロッテ。

本来なら髪の入れも自分でやりたいのだが、着替えや入浴以外はやらせてくれと頼まれたので、お願いするようになった。


「ええ、とても! 気にかけてくれてありがとう、ロッテ」


メアリの髪を優しく梳かすロッテは笑みを浮かべ首を横に振る。


「とんでもないです! メアリ様、今日はどのようにしてお過ごしですか?」

「実は、薬を作りたいの」