「ロッテに心配かけちゃったのね」
「側にいてあげてと頼まれた。彼女は君が俺の婚約者だとまだ信じてるみたいだったな」
ロッテは昨夜も、メアリの寝不足を気にかけていてくれていた。
聞けば年の頃はメアリのひとつ下らしく、生まれも育ちもこのイスベルなのだと教えてくれた。
「ロッテは可愛いですね」
くるくる変わる表情は愛らしく無邪気で、メアリはロッテのような妹がいたら楽しいだろうと想像して口にしたのだが、長い足を組んでワインを味わうユリウスには興味がないようで「そうかな?」と答える。
そして……。
「俺はメアリの方がずっと魅力的だと……」
言いかけて、ユリウスは目を見開いた。
「いや、違う。ダメだ、今のは忘れて。その、さっきまで少し飲んでたから」
口が滑ったのを焦って弁解するユリウスの顔はほんのりと赤い。
メアリの胸は高鳴り、けれど、正体を明かして以降素っ気なかったユリウスが部屋を訪れた理由に納得した。
お酒が入っている故に気分が上がって、態度も以前のようなのだと。
でも、それでもいいとメアリははにかんだ。
アクアルーナの騎士であった頃と変わらないユリウスとのやり取りが嬉しいから。
「ユリウスもとても魅力的だわ」



