一途な騎士はウブな王女を愛したくてたまらない



「そのような形では叶えさせません」

「ですがメアリ王女。そもそも、あなたの力には確実性がない。それでも、いずれはヴラフォスの役には立つこともあるでしょう。しかし、それがいつになるとも限らない。見ていない、または見たものとは違うことを口にして偽らないとも限らない。ですから、担保としてアクアルーナをいただいておけたらと思いまして」


取り引きを始めたモデストに、メアリははっきりと頭を振った。


「そんな大事なこと、私だけでは決められません」

「いえいえ、あなたは王女だ。決められますよ」


一国の主がイエスと言えばイエスになる。

それが当たり前だとでも言うように両腕を広げるモデスト。


「私は王女ですが、国に生きる人々を守り導く責任があります。簡単には頷けません」

「……では、その大事な民たちが傷つく方法を取ることになりますが、よろしいかな?」


脅しを口にし眼光を鋭く細めるモデストに、メアリが拳を強く握り締めた時、ユリウスが「宰相殿」と薄く笑みを浮かべて呼ぶ。