次の日、拓真さんは何もなかったように私と過ごし帰って行った。
もう一度、今度の土曜日は時間が取れないのか、夜遅くてもいいからと、聞いてみた。
答えは一緒だった。
仕事の後、飲み会だから帰るのは遅くなる。だから無理だと。

疑惑が確証に繋がった…

どうすれば…、心の中で私はまだ大丈夫、と言っていた。
現場を見ていない、私の聞き間違いかもしれない、と。

認めたくない、と言うのが本音だったが、拓真さんに限ってそれはないと思いたかった。

私が、あまりに土曜日に執着するのを気にしたのか、それとも私が何かに気がついたのを察知したのか、拓真さんがそんなに遅くてもいいなら来てもいいけど?と言ってきた。日付け変わるかもよ?と。
それでもいいなら、来るよ?寝るだけだと面白くないでしょ?と。
俺はいいけど?酒臭い俺でいいならとまで言ってきた。
ここまで言われた私は、無理しなくていいよ、ゴメンと言ってしまった。

それでもいいから、来てなんて言えなかった。

言えばよかったのか。
慶都って誰?と聞けばよかったのか。

拓真さんが帰った後、一人悩んでいた。