ピーンポーン

ビクッ

来た、拓真さんが来た!

玄関を見ると、拓真さんが立っていた。

ガチャ

「ごめんね、こんな強引な事して」

「い、いえ、そんなっ。上がって下さい」

拓真さんが私の部屋に入ってきた。
男の人を、部屋に入れる事自体が初めてな私は、何をどうしていいのか分からなかった。
お茶でも入れる?

「とりあえず、ソファに座ってて下さい。コーヒーでも…」

コーヒーでも、と言った所で、後ろから拓真さんに抱きしめられていた。

「た、拓真さん…」

「なんか、誤解してる?もしかして…」

「え?ご、誤解?」

「彼女がいるって、聞いた?」

いきなりの核心に言葉が出なかった。

「やっぱり…、あいつら…」

「え、あ、あの…」

「…それ、誤解だから。彼女がいたのはいたけど、別れたんだ。あいつらはしらないだけ。今俺が好きなのは、香里ちゃんだけだよ」

さらに、力が強くなった。

「信じてもらえない?」

そう言いながら、耳元で囁く拓真さん。

「…あ、あの…」

「好きだよ、香里。今日は泊まるよ、ここに」

「え、あ、…」

前を向かされた私は拓真さんにキスされていた。