お前以上に俺らを理解してる奴はいねぇよ。と笑う風南。

兄に対する言葉遣いじゃない上に、やたらと態度がでかいがこれが風南だから仕方ない。

これは慣れだ。

それに、何気に嬉しい言葉をもらえたからよしとしよう。




『動くとしたらどの立場で動くんだろうな?』


「‥‥さぁな。」


「そりゃ、〝全てのはじまり〟でしょ?
風南、それ以外は俺が認めないからね。」


『‥ってことらしいぞ?
〝元副総長様〟?』


「‥‥気が向いたらな」




そう言いながらスッと目を閉じる風南。



「Ich uns ist eine schwarze.(俺たちは黒でいい)」



小さく呟く風南。

ドイツ語で呟かれたその言葉は、風南自身への咎なのかそれとも俺達への咎なのか。



『Wahrscheinlich anders.(違うだろ)』