『同時に俺にもその世界を教えてほしいと思った。あの絵を見ると、ノスタルジーな気持ちになるし悲しくなるし、すげえ叫びたくなる。この子も孤独なんだなって。俺もきっとこんなくだらないことを小説に書いてしまう程度には、人と共有できない痛みがあった』

――その痛みを、その女の子が否定しないって言ってくれたんだ。
――だから俺はもう、人を殺すのはやめようと思う。
――めちゃくちゃに、やばいぐらい嬉しかったから。

彼の小説は、そう書いていた。
小説と呼ぶにはメチャクチャで、小説と呼ぶには稚拙で幼稚で、何もかも足りない。
それなのに、私は泣いてしまっていた。

彼が闇を吐き出していた場所で、その言葉を吐いたということ。
その意味を、そして彼が今までずっと一人で辛かったことを。

向日葵は明るくて皆に好かれる花かもしれない。
でもその向日葵も、太陽を見て咲いている。
太陽の光を求めているんだ。