優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。



絶望の中、彼は良かった部分を探し出して必死に掴んで笑っている。
そう感じるぐらい少し危うかった。
彼は私がインストールしてデジタルで絵を描く準備をするのを興奮しながら見ていた。


「え、やっべ。ペンタブじゃん。プロじゃん。プロなれるじゃん」
「まだ触ったこともないよ。それに私は受験生だから、優先するのは、受験勉強で、これはその次だからね」
「もっちろん。そうだ、その星の絵もちょうだい」

 分かってるのか分かっていないのか、マイペースな彼にペースを崩されながらも、パソコンの作業の方を続けた。

さきほど彼に見せた絵をスキャンして、それを下書きにしてペンを握る

本当は、怖い絵なんて描きたくないし苦手なんだけど、彼の小説を読んだら浮かんだんだ。抽象的な絵が。


彼は心理描写は書くけど『まじ、死ぬかと思った』とか『鬼のように怖かった』とか『高級料理店にありそうなごちそう』とか、状況の描写は抽象的で、想像するしかできない。なので抽象的になら描けるかなっておもったんだ。