「嘘……」
「うちの親はピアスぐらいって許してくれたんだけどさあ、本当、だっさい昔で更新止めた先生たちには、ルールのアップデートも知らないというか」
「アップデート」

紗矢に言うことはいつも奇抜で面白い。

けど、彼を怒らせてしまった事実を知ってしまったら、彼女も冷たくなってしまうのかも。
心臓が押しつぶされそう。苦しい。

「ねえ、本当に大丈夫? 顔色悪いけど、何か嫌なことでもあった?」
「いや、私……誰も居ない教室で、窓の写メ撮りたいから」

「蕾?」
「部活頑張ってね」

 紗矢はスポーツ推薦で1000メートル走があるらしいから、練習に部活に行く。

 だからきっと私の事件を知るとしたらクラスで一番最後なのだろう。

 そう覚悟して、ただただ死刑執行の時間を教室で待つしかない。

 頭の中は、完全に思考回路がマイナスになっていた。何を考えても、最悪なことしか考えつかない。