わたしは、友達が少ないほうだったけど、
嫌われている訳でもない。


たぶん愛想は良くて、人と会話をするときは、
その人の声には出さない言葉もよく聞き取っている、と思う。

だから「良い子」だと思われているはずである。

けれども、わたしは人とは違う。


例えば、山に住む人間と、
海に生きる人間がいるとする。


山に住む人間は、山菜の取り方とか
毒があるキノコかとかを見分ける能力が必要で


海に生きる人間は、魚の群れがどの辺りにいるのかとか
海水からどうしたら塩がとれるのか、とか

そういう知識が必要だ。



わたしは、
人間が生きる世界にはいない。




他の、もっと何か大きな存在の元で生きている。
神様とか、価値観とか、そんなものじゃない

わたしの心の奥底にいる、血だらけペガサスだけが

知っている。