気がついたら、もう体は楽になっていた。
オバケが顔をのぞかせていた窓も、
今は、ちゃんと閉まっている。
手足が動く。
圧迫間も、痺れているような感覚もない。
「…………ああ、消えちゃったんだ」
わたしの声が、誰もいなこの部屋に反響する。
壁にかけてある
オシャレな木製の丸い時計に目をむける
『5:35』
となっていた。
今日は早く起きちゃったな。
2度寝をしようかな?
でも、そんな事をしたら、朝起きれる自信がなかった。
もしかしたら、もう一度寝てみれば、
またあの人に会えるのかもしれない。
また金縛りを体験すれば、
あの人が現れて、
「あなたは、現実の世界のどの場所にいるの?
教えてくれれば、わたし絶対、行くから!」
って言ったら、もしかしたら答えてくれるのかも。
でも、それができないという事は分かっている。
もう、眠れないし、夢の続きなんて
見たくても、もう見れない。
ここは現実だから。


