わたしは、ぼうぜんと、その場に立ち尽くした。 気がつけば、みんながいる体育館を離れて 一人屋上へと向かった。 すぐに清々しい秋の風を感じる。 わたしの他にも、数人の生徒たちが屋上にいた。 彼らは皆、口を開けて空を見つめている。 ふと、わたしも上を向く。 ある。 はるか上空に浮かぶ、奇妙な赤黒い星。 表面をテカテカと光らせて 燦々(さんさん)と輝いている。 わたしは手すりの方まで駆け寄った。 先ほどの、男の子が、横にいた。