階段を降りて職員室のある隣の棟に入ると直ぐ、
「初原せーんせ♪」
と声を掛けられた。
(こんな時にまた面倒臭い人が…)
俺は額に手を当て、小さく溜め息を吐く。
「初原せんせー日曜日空いてる?空いてるよねっ♪」
にっこり笑顔ですり寄ってくるこの男。
体育の仁科先生だ。
仁科先生─通称にっしゃん─は俺と同じくこの春からうちの学校に赴任してきた。
と言っても俺みたいな新卒ではなく、歳は俺より5歳ほど上。
本業はスポーツクラブに勤めているのだとかで、体育の豊島《とよしま》先生が産育休を取っている間の代理講師としてベテラン体育教師の山本先生が引っ張って来たらしい。
今は中学生と高3の授業を受け持っている。
「空いてないよ。中間試験の問題作るんだから」
「そんなこと言わんで俺とデートしよ?」
「は!?何言ってんの」
俺は冷ややかな眼でにっしゃんを見るけれど、にっしゃんは意に介せずぺらっと何かのチケット2枚を俺の前に見せた。
「初原せーんせ♪」
と声を掛けられた。
(こんな時にまた面倒臭い人が…)
俺は額に手を当て、小さく溜め息を吐く。
「初原せんせー日曜日空いてる?空いてるよねっ♪」
にっこり笑顔ですり寄ってくるこの男。
体育の仁科先生だ。
仁科先生─通称にっしゃん─は俺と同じくこの春からうちの学校に赴任してきた。
と言っても俺みたいな新卒ではなく、歳は俺より5歳ほど上。
本業はスポーツクラブに勤めているのだとかで、体育の豊島《とよしま》先生が産育休を取っている間の代理講師としてベテラン体育教師の山本先生が引っ張って来たらしい。
今は中学生と高3の授業を受け持っている。
「空いてないよ。中間試験の問題作るんだから」
「そんなこと言わんで俺とデートしよ?」
「は!?何言ってんの」
俺は冷ややかな眼でにっしゃんを見るけれど、にっしゃんは意に介せずぺらっと何かのチケット2枚を俺の前に見せた。