「はぁ……やだなぁ。」
新学期早々、こんな言葉をはくのもどうかと思うんだけど、
それくらい、嫌なのだ。
新学期という言葉を聞いて憂鬱になるのは、
きっと私だけじゃない、はずだ。
中学の友達と離れ、
新しい生活が始まるってだけでもつらい。
高校生になって心機一転!
彼氏つくってリア充謳歌するぞっ☆
って人達はなんなんだろうか、もはや尊敬のレベルである。

「あんず、何言ってるのよ。
昨日の夜までずっと制服きて1人でファッションショーなんてやってたじゃない。」
うぐっ。
「そんなこと言ってないで、早く行ってきなさい。
バス間に合わないわよ。
お母さんは後から行くから、入学式頑張ってね。」

そうなのだ。
今日から入学式なのは100歩譲って……
いやいや、200歩位譲って良いとして、
今日からバス通学なのだ。
バスで1時間、自転車で頑張れる距離でもない。
寝坊して遅刻、なんてことは許されなくなってしまった。

どうせなにも変わらない
何の変わり映えもない学校生活がまた今日から始まってしまう。
「はぁぁ……。」
再び深いため息をつきながら、
重い足取りで家のドアを開けた。