「母さんうるさい。外まで声聞こえてる」


再び、ドアが開くと、入ってきたのは颯斗。


「はーくん!だってママね、久しぶりにユウくんに会うの。寂しかったんだもん…」


女性は、しゅんと落ち込む。


…え?

待って…。


「自分で“ママ”言うな。キモい」


…嘘だよね?

颯斗と女性を交互に見ていると、颯斗と目が合った。


「今日は泣いてないんだな。これ、差し入れ」


手渡されたのは、ウーロン茶。


「あ、ありがとう…」


ウーロン茶を受け取ると、じっと颯斗を見つめる。