ほんのり香る、甘い香り。 あの時感じたものと同じ温もり。 「…起きた?」 すぐ隣から聞こえる、落ち着いた低い声。 重たい瞼を開け、顔を上げると、隣には颯斗の姿。 …え? …なんで? 「…あたし寝てた!?」 寝起きのせいで余計に混乱する頭。その状況を理解するまでに数秒かかった。