「おねえちゃんがね、えほんよんでくれてたの」



にっこり笑顔のユウ。

あ~。なるほど。

そういうことか。


「退屈だから、図書室で借りてきたんだよね」


「ね~」


あれ…?

2人ってこんなに仲良かったっけ?

それに、希愛はいつも通り。

昨日のこと気にしてねぇのか?

気にしてたのは、俺だけ?


「ユウトくん!!みなとくんのところあそびにいこ~」


勢いよくドアが開けられ、ユウと同じくらいのガキが入ってきた。


「うん!おねえちゃんまたね。おにいちゃんも!」


「無理しちゃダメだよ」


俺はついでか、と心の中で突っ込んだけど、希愛の笑った顔を見たらどうでも良くなった。