「んっ…」


いつの間に眠っていたのか、気が付けば空の色が変わり始めていた。


お父さんは仕事が忙しく、お兄ちゃんも実習があるみたいで最近は来ない。颯斗も、今はテスト期間だから来なくていいってあたしから言ってある。

颯斗のことだから、補習にならないようにきっと頑張ってる。それなのに、病院までくると、多分体がもたないから。無理させたくないもん。

あたし以外誰もいない静かな病室は、退屈ですぐ寝てしまう。おまけに、睡眠作用のある薬も飲んでいるため、余計に寝れるのだ。