スライドドアを開け、入ってくる人を見ると泣きたくなった。


「落ち着いた?」


その問いかけに首を横に振る。


「先生……。
あたし、ちゃんと手術できるよね……?」


漏れそうになる嗚咽を殺して、喉から声を絞り出す。


「そのことなんだけど…」


申し訳なさそうな目であたしを見つめる先生。


ねぇ…。

まってよ…。


「手術はできない」


ハッキリと告げられたその言葉は、あたしをどん底に突き落とすのには十分すぎる言葉だった。


「なんでよ…」


ここまで頑張ってきた。

この手術が最後の希望だった。

それなのに…。