「あたし、手術受ける…」 今まで諦めていた希望が見つかった。 これを逃したら、もうない。 こんな奇跡、二度と起こらない。 「明日、一緒に病院行こ。先生から話きこ」 涙を溜めながら、お父さんの言葉に何度も頷いた。 その日の夜、震えも治まっていない手でスマホを手に取り颯斗に電話をかけた。 「希愛?」 画面の向こうから聞こえる低い声。 「颯斗…」 名前を口にしただけなのに、それだけで泣きたくなった。 2人の未来、今なら見えるよ。 幸せそうに微笑むあたしと颯斗が。