「じゃぁね。また、ね」 別れる時はいつも悲しい。 欲張りなあたしは、もっと一緒にいたいなぁって思ってしまう。 「おう、またな」 だけど、最後は笑ってさよならがしたいから寂しいなんて口にしない。 胸の前で小さく手を振ると、右手を軽く挙げてくれた。 いつも思うけど、颯斗って別れる時、手振ってくれないんだよね。 「ただいま~」 リビングのドアを開けると、ソファには2人の姿。 だけど、なんだか様子がおかしい。 2人はあたしに気づくと、同時に名前を呼んだ。