「君の言う通りだよ…。可能性はゼロじゃない。それなのに、信じられないなんて、ダメな父親だ…。君には負けるよ…」


「負け認めるなら、俺らの勝ちってことで、付き合うこと認めてください」


「いいだろう。その代わり、希愛が無茶しないよう見張っといてくれ。君のことになると、体のことを忘れて何をするか分からない」


み、見張るって…!

あたし、そこまで颯斗に迷惑かけるつもりはないもん。

それに、自分の限界なんて、あたしが一番よく分かってる。


「お父さん!あたしなら…「分かりました」」


わざとか分からないけど、颯斗があたしの言葉を遮った。

きっと、この会話の中に入ろうとしたことが間違いだったんだ。

颯斗の勢いには、きっと誰も勝てない。

だって、あれだけ反対していたお父さんですらも


「いいだろう。颯斗くん、希愛のことよろしく頼む」


認めさせてしまうのだから。