「死にたくない…っ。怖いよ…」


颯斗といると甘えたくなっちゃう。

弱音を吐きたくなっちゃう。

おかしいな…。

弱虫なあたしはもういないはずなのに…。


「希愛は死なない…っ。絶対大丈夫だから…。頑張れ…。希愛の心臓、頑張って働け…。休んでる暇なんかねぇよ…」


強く抱きしめてくれる颯斗の腕の中はどの温もりよりも温かい。あたしが、一番安心できる場所なんだ…。


「ごめん…。こんなこと言って…」


こんな弱音を吐くために戻って来たわけじゃないのに…。


「…ダメだね、あたし」


泣いた後の無理やり笑顔。


「…いいよ、希愛は泣き虫のままで。希愛が信じられないなら、俺が信じるから。希愛が強いってことも、生きられるってことも全部俺が信じる。それなら、怖くないだろ?」


颯斗の言葉に大きく頷いた。