あれから1週間。

体調も安定し、一度退院することになった。

久しぶりに返ってきた家。


「俺、荷物片づけるから、希愛は休んでな」


こんな日でもお父さんは仕事を優先。お兄ちゃんは大学休んでまであたしを迎えに来てくれたって言うのにさ。どこまでも、酷い人だよね。


「ねぇ…あたし行きたいところある」


「どこ?」


「…颯斗のところ」


今日は平日。

春休みにしてはまだ早いから、時間さえ合えば西高で会える。


「希愛…「分かってる」」


お父さんはいいように思わない。

また、怒鳴るかもしれない。

また、泣いてしまうかもしれない。


それでも…。



「あたしは、颯斗が好きなの…。どれだけ反対されても、離れるなんてできない…」


別れてから1日だって忘れたことない。

あたしの心の中には、いつも颯斗がいる。