あの日から前向きに治療に専念するようになった。

辛いとき、あたしを支えてくれた颯斗のように、誰かを支えられる、励ますことのできる人になりたい。

だからこんなところで諦めない。

…諦めるわけにはいかない。

颯斗とまた、会うためにも…。



「…吐きそう」


たとえ、どれだけ苦しくなっても。

苦しいのは今だけだから。

明日には楽になってる。

だから、大丈夫…。

と、必死に自分を励まし続けた。




「希愛ちゃんあまり無理しちゃだめよ…」


寝てばかりだと体力が落ちてしまう。

だから、元気な時は少しでも体力をつけるために体を動かす。


「はぁ…はぁ…」


少し動いただけでも息が上がる。

だけど、休みたくなかった。

こんなところで立ち止まりたくなかった。