「颯斗お前、びっくりすんだろ!」


「そーだぞ!寿命縮むかと思った」


しばらく音が無くなった後、すぐにまた騒がしくなった。


「悪い」


そうつぶやいて、倒した机を起こしそのままふさる。

瞼を閉じるとあの日のことがはっきりと思い出せる。


泣き続ける希愛の顔。

しがみついて叫ぶ声。

まだ、俺の中に残っている。

傷つけたかったわけじゃない。

ただ、あれ以上苦しむ希愛の顔を見たくなくて。

酷い言葉で無理やり終わらせた。