「あたし、颯斗になんかした?気に障るようなことしたなら謝るから…」


だから、離れていかないで。

恋人なんて高望みしないから、せめて友達でいて。

話し相手になってくれるって言ったじゃん。

あの言葉さえも嘘だって言うの…?


「…そういうのマジうぜぇから。もう、俺のことは忘れろ」


颯斗の言葉でこんなにも苦しくなることもあったなんて…。

知らなかったよ…。


「じゃぁな」


幸せな時間は永遠じゃない。

いつか終わりが来る。

そんなこと、分かっていたけれど…。

こんな終わり方、したくなかった。


体中の力が抜け、床にぱたんと座り込む。

そんなあたしのことを気に留めることもなく、颯斗は病室から出て行ってしまった。

残された病室に1人、あたしは1人泣き続けることしかできなかった。