「だったら…嘘でもいい……っ!最初から好きじゃなかったとしてもいい…っ!からかわれていただけだとしてもいい……っ!!」
颯斗の優しさに触れる度、どんどんきみにおちていった。
なにもなかったあたしにたくさんのものをくれた。
あたしの世界が颯斗で染まった。
誰よりも、今までで一番、大切な人になった。
その事実は変わらないから。
「たとえ、今までくれたものが全部偽物だったとしても、あたしは本気で颯斗のことを…「言うな!」」
遮られた言葉は伝えることさえも許されなかった。
「…迷惑なんだよ」
震えた声。
なんで、苦しそうな顔をしてそんなこと言うの?
「本当にあたしのこと…嫌いなの…?」
あたしの中で大きなカケだった。
1パーセントの確率だとしても、
「あぁ、大っ嫌いだよ。お前みたいな泣き虫な女」
“好き”だと言って欲しかった―――。

