「なん…で?」


一瞬で目頭が熱くなる。

再び込み上げてくるものを必死に抑え、喉から声を絞り出す。


別れる理由なんてないじゃん…。

あたし、絶対嫌だよ…。

ずっと一緒にいるって約束したでしょ…?


「なんかもう、いろいろめんどくさくなった」


冷たく言い放たれた言葉。

やっと合わせてくれた瞳には光がない。


「あたしのこと…嫌いになったの……?」


耐えきれず、止めどなく頬を伝う幾つもの熱い涙。

その涙は、拭われることなくシーツに落ちてシミを作る。


「初めから好きじゃなかった。ただの暇つぶし?けど、つまんなかったし、なんか飽きた」


淡々と告げられる言葉。

こんなの颯斗じゃない。

あたしの知っている颯斗はこんなこと言わない。

ねぇ…。

嘘だって言ってよ。

お願いだから、冗談だって言ってよ。